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虫と歌 市川春子作品集  『日下兄妹』あらすじとネタバレ

こんにちは。

 

 

今日は「虫と歌 市川春子作品集」を読んでみました。

 

自分の指から生まれた妹への感情を綴る『星の恋人』。肩を壊した高校球児と成長を続ける“ヒナ”との交流が胸を打つ『日下兄妹』。飛行機事故で遭難した2人の交流を描く『ヴァイオライト』。そして、衝撃の四季大賞受賞作『虫と歌』。深くてフシギ、珠玉の4編を収録。

 

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「日下兄妹」

 

主人公のユキこと日下雪輝は将来を嘱望された野球部のエースでしたが、肩を負傷したために野球部を退部し、実家の古道具屋でほぼ引きこもり生活をしています。

 

彼の才能を惜しむ部員達は懸命に戻るように呼びかけますが、ユキのほうはどこ吹く風。

 

まったく取り合わない。

 

そんな時、ユキの前に「それ」は現れます。

 

小さな小さなネジあての部品・・なぜかそれは、命を吹き込まれたかのように動きまわるのです。

 

それは止まっていたユキの時間が再び動く瞬間でした。



色々な部品を取り込んで「成長」していく「それ」をユキは後輩兼お目付役のハラくんと一緒に捕まえます。

 

不思議なのは、この状況を二人ともあっさりと受け入れていること。

 

特にハラくんは図太くておちゃらけていて・・でも誰よりもユキの復帰を願っているという愛すべきキャラクターなのです。



ハラくんのアイデアで服とかつらをつけられた「それ」は、「ヒナ」と、この世に生まれてくることのできなかった妹の名をつけられ、三人(?)で同居することになりました。

 

料理を作っている時のヒナは目鼻がなく、手足も不完全なのに、本当に小さな女の子のように見えてきます。

 


肩の壊れたユキと、人あらざるもヒナの交流は、共に欠損したもの同士ゆえのシンパシーが強いようにも思えますが、それだけではないのです。


それは「無償の愛情」。



これがどんな意味をなすのか、そしてどんな結末が待っているのかは読んでからのお楽しみ・・

 


ただ言えることは、ユキとヒナは紛れもない兄妹であったこと



そして、これからもそうであり続けるであろうこと



是非読んでみて下さいね。

 

 

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